俵有作(たわらゆうさく・1932~2004)は日本の古玩具・古民具の収集家であり、何冊もの研究書を上梓した古玩具研究者としての一面と共に、水墨を基調としたドローイング作品を発表し続けた作家です。
絵は独学で学んだものの、芹沢けい介(「けい」の字は金へんに圭)や猪熊弦一郎らに愛された彼の作品は、あるものは書を想起させ、またあるものは山水画、そして仏画をイメージさせます。
レオナルド・ダ・ヴィンチを慕い、南宋山水画に遊び、アンリ・ミショーを想う…。
静かなる観念世界を墨の濃淡と微妙な筆致で現出させる稀有な美術家であると言えるでしょう。
練馬区に長年暮らした、ゆかりの作家ではあるものの、国内よりむしろ海外で高い人気と評価を得ており、今回の展示も米国・インディアナポリス美術館、ヒューストンのアジア・ソサエティを巡回しての凱旋展であると同時に、国内の美術館では初めての展覧会です。
<開催案内>会 期 2014年12月6日(土曜)~2015年2月8日(日曜)
休館日 月曜日
(ただし、1月12日(月曜・祝日)は開館、翌日休館)、
年末年始(12月29日(月曜)~1月3日(土曜))
開館時間 午前10時~午後6時 ※入館は午後5時30分まで
主 催 練馬区立美術館
観覧料 無料
<会期中のイベント>土岐千尋氏(木漆工芸家)によるゲスト・トーク 日時 2014年12月13日(土曜)午後3時~ 45分程度
尾久彰三氏(民藝研究家)によるゲスト・トーク 日時 2015年1月10日(土曜)午後3時~ 45分程度
担当学芸員によるギャラリー・トーク 日時 2014年12月20日(土曜)午後3時30分~ 30分程度