〈展覧会関連動画公開!〉
「ピーター・シスの闇と夢」がより楽しめる動画を公開しています。
ぜひご覧ください。
◆第一弾◆「ピーター・シスの闇と夢」について語るとに~と小野→こちらをクリック
アートテラー・とに~さんと展覧会担当学芸員小野寛子が展覧会の見どころを楽しく紹介しています。
◆第2弾◆柴田元幸が語るピーター・シスの魅力→こちらをクリック
シス作品の翻訳も手掛けた翻訳家柴田元幸さんが、展覧会の魅力をお話しくださっています。
〈展覧会のみどころ〉
〈開催案内〉
ピーター・シスの闇と夢
会場 練馬区立美術館
会期 2021年9月23日(木・祝)~11月14日(日)
休館日 月曜日
開館時間 10:00~18:00 ※入館は17:30まで
観覧料 一般1,000円、高校・大学生および65~74歳800円、
中学生以下および75歳以上無料、
障害者(一般)500円、障害者(高校・大学生)400円、
団体(一般)800円、団体(高校・大学生)700円
ぐるっとパスご利用の方500円(年齢などによる割引の適用外になります)
練馬区文化振興協会友の会会員ご招待(同伴者1名まで)
※観覧当日、受付で会員証をご提示のうえ、招待券をお受取ください。
※一般以外のチケットをお買い求めの際は、証明できるものをご提示ください。
(健康保険証・運転免許証・障害者手帳など)
※障害がある方の付き添いでお越しの場合、
1名様までは障害者料金でご観覧いただけます。
※団体料金は、20名様以上の観覧で適用となります。
主催 練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会)
後援 チェコ共和国大使館、チェコセンター東京
特別協力 エリック・カール絵本美術館
協力 プラハ現代美術センターDOX、Labyrint
企画協力 株式会社イデッフ
〈会期中のイベント〉
●鑑賞プログラム「拡大!美術館Vol.1 テーマ:かぎ」 ※申込は締め切りました
2021.10.24(日)
小学生のための鑑賞プログラムです。テーマに沿った作品鑑賞と工作で、
展覧会への興味を拡大!します。
●鑑賞プログラム「あかちゃんと家族の鑑賞会」 ※申込は締め切りました
2021.10.23(土)
家族で展覧会を鑑賞し、画材に触れる時間を設けます。
●鑑賞プログラム「トコトコ美術館Vol.37 テーマ:かぎ」 ※申込は締め切りました
2021.10.16(土)/2021.10.17(日)
作品鑑賞と読み聞かせ、工作で展覧会を楽しみます。
●美術館利用者向け託児サービス ※申込は締め切りました
2021.10.8(金)
美術館でゆっくり作品を鑑賞したいという子育て中のみなさまを応援するため、
託児サービスを行います。
〈展覧会趣旨〉
チェコスロヴァキア(現 チェコ共和国)出身でアメリカを代表する絵本作家のピーター・シス(1949年生)は、1987年からこれまで30作以上の絵本を生み出してきました。日本でも多くのシス作品が翻訳されており、「絵本好き」の本棚にはシスの作品が1冊は収められていることでしょう。
とりわけ次の4作品は、最も知られているシスの代表作です。
1994年に発表され、日本では柴田元幸氏の翻訳によって2005年に出版された『三つの金の鍵 魔法のプラハ』では、シスの少年時代の思い出やプラハの歴史を辿り、美しくも悲しみを帯びた古都が描き出されています。
その2年後の1996年に出版された『星の使者 ガリレオ・ガリレイ』では、勇敢な科学者ガリレイの生涯を読み解き、アメリカの優れた絵本に与えられるコルデコット賞推薦を受けました。シスは偉人の伝記的絵本を多く手掛けていますが、彼らの成し遂げた偉業を称えることに終始せず、少年期の苦悩や直面する困難にも焦点を当てています。
また2007年には、日記に基づく自伝的絵本『かべ 鉄のカーテンのむこうに育って』を発表し、チェコ出身の絵本作家として世界的な評価を確立します。ソ連下の故郷で表現の自由を制限された辛い経験や、その中でも夢や希望を抱き続けていたことなどを描写した本作は、シスのアイデンティティーを想起させる記念碑的な作品と言えるでしょう。
そして2012年に、シスは国際アンデルセン賞画家賞を受賞します。2014年には、名作『星の王子さま』の作家であるサン=テグジュペリの生涯を、『飛行士と星の王子さま: サン=テグジュペリの生涯』として絵本に仕立て、不朽の名作に新たな解釈を提示しました。
シスの創作活動の軌跡は、故郷チェコでその才能が開花した映像制作にはじまり、アメリカでの雑誌や新聞、書籍へのイラストレーションの提供、そして絵本の創作へと連綿と続いています。途切れることのない芸術活動への意欲は、幼い頃から抱き続けた自由に描くことや表現することへの喜びと情熱に裏打ちされているのです。
本展は、日本ではじめて開催されるシスの展覧会です。代表作の絵本原画やシスの創作活動の原点であるアニメーション作品を中心に、スケッチ、日記など様々な作品や資料を含んだ約150点を通して、シスの芸術を俯瞰します。
*2023年に伊丹市立美術館への巡回を予定しています。
〈ピーター・シスって、どんな人?〉
幼い頃から絵を描くことが大好きだったシスは、1949年にソ連支配下の共産主義国家であるチェコスロヴァキアのブルノで生まれました。子どもが絵を描くことさえも管理される難しい環境の中で育ちましたが、彼は芸術的創作への意欲を失うことなく成長しました。プラハ工芸美術大学とロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学び、短編アニメーションの制作でその才能を広く認められるようになります。西ベルリン映画祭で金熊賞を、トロント映画祭でグランプリを、そしてロサンゼルスの映画祭では金鷲賞を受賞するに至っています。その才能から、シスは1982年に政府よりロサンゼルス・オリンピック(1984年)の映像制作のためアメリカに派遣されますが、祖国を含めた東側諸国がオリンピックのボイコットを表明したことを受け、この時、アメリカへの亡命を決意します。ニューヨークに拠点を定め、新聞、雑誌、絵本などのジャンルを中心に活動を続け、この新天地において絵本作家としての人生をスタートさせたのです。先に紹介した数々の意欲的な創作活動の中で、ニューヨーク・タイムズ紙が選ぶ年間ベストテンや、パブリッシャーズ・ウィークリーのベストセラーリストの常連となるなど、シスはアメリカでの絵本作家としての地位を築き上げました。
その証拠に、近年、アメリカや祖国チェコで開催された展覧会はいずれも盛況に終わっています。シスの友人であり、先日91歳で亡くなったアメリカを代表する絵本作家エリック・カールの美術館において、2019年に”The Picture Book Odysseys of Peter Sís”というシスにとってはじめての展覧会が開催されました。続けてチェコでも、2019年から翌年にかけて ” Peter Sís: O létání a jiných snech On Flying & Other Dreams”が開催され、まさに故郷への凱旋展となりました。